つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

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楽曲紹介Part.2 ヨハン・シュトラウス2世作曲「美しく青きドナウ」

こんにちは!実行委員の広瀬です。ついに2021年も終わりを迎えようとしていますね。

筑波大学は12月28日まで試験期間でした。他大学に比べ遅めの冬休みスタートで、この間やっと大量のレポート課題を提出し終えたところです。

 

さて、今回は、第11回つくばリサイタルシリーズの演奏曲目の1曲目、ヨハン・シュトラウス2世作曲「美しく青きドナウ」を紹介したいと思います。

 

美しく青きドナウ」は、再春館製薬のドモホルンリンクル、ソフトバンクでんき、HONDAなどこれまで数多くのCM曲として使われたことのある名曲です。フル尺は10分程度ですが、そうした有名なフレーズは耳覚えのある方も多いのではないでしょうか。

今回の楽曲解説で「美しく青きドナウ」の魅力が少しでもお伝えできれば幸いです。ぜひ、第11回つくばリサイタルシリーズの予習としてお気楽に読んでみてください。

 

ヨハン・シュトラウス2世とは?

ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)は、オーストリア・ウィーンで活躍した作曲家です。ウィンナ・ワルツ(19世紀ウィーンで流行し、以後ヨーロッパ中に広まっていったワルツで、2拍目をやや早めにずらすように演奏される。)、ポルカ(速いテンポで2/4拍子の明快なチェコ発祥の民俗舞曲を指す。)などの作曲を生涯続け、「美しく青きドナウ」は彼の最も有名なワルツの一つといえます。その他、「ウィーンの森の物語」、「皇帝円舞曲」などワルツを数多く生み出していて、「ワルツ王」という異名も持ちます。ヨーロッパ全体で絶大な支持を得ていて、現在も毎年元日には「ウィーン・フィルニューイヤーコンサート」が行われ、そこでは彼を中心とするシュトラウス・ファミリーの作品がメインのプログラムが組まれています。

 

・「美しく青きドナウ」とは?

シュトラウス2世の「三大ワルツ」の一つであり、その中でも最も人気が高い作品として知られています。シュトラウス2世の代名詞、またウィンナ・ワルツの代表曲であり、オーストリアでは正式ではないが「第二の国歌」と呼ばれているそうです。

 

曲の構成としては、序奏と5つの小ワルツ、そしてコーダとなっています。

 

◯序奏

ヴァイオリンのトレモロ(同じ音を連続して小刻みに演奏する技法。)の上で第1ワルツのメロディがゆるやかに登場します。ドナウ川の穏やかな流れを感じるような、そんな音楽に包まれてこの楽曲は始まります。

 

◯第1ワルツ

この曲の中でも最も有名なパートがこの第1ワルツです。序奏で予告された主題が、弦楽器やホルンなどを中心に奏でられます。美しくゆったりとしたこのメロディーは、今日でも世界中で、そして日本でも親しまれていますね。
後半では転調し、付点のあるリズムが登場します。

◯第2ワルツ

フルートとヴァイオリンの流れるようなメロディが清らかに始まります。
第2ワルツはチェロ・フルート・ファゴットといった楽器に主旋律パートがバトンタッチされ、四分休符を挟んだ快活なリズムが開始されます。

◯第3ワルツ

休符や装飾音符によりリズムがつくられ、優雅な踊りをしたくなるような曲調になっていきます。

第3ワルツは一貫してト長調になっており、テンポが徐々に早まってワルツのクライマックスにつながる動機を感じ取れます。

 

◯第4ワルツ

ワルツの優雅で流麗な旋律が展開されます。後半は躍動感を増し、曲を盛り上げます。ヴァイオリン・フルート・クラリネットトレモロのあと、木管楽器の主題、それにヴァイオリンとチェロが寄り添う形で展開していきます。

 

◯第5ワルツ

第5ワルツでは、雄大さあふれる音楽に満たされることでしょう。それまではホルンやフルート、ヴァイオリンなどによるソロのメロディが、ここからは打楽器やハープ、トランペットなどの楽器も加わって、ワルツが最高潮の盛り上がりに達します。

 

◯コーダ

これまでのワルツの主題が現れた後、第1ワルツの旋律に戻ります。
最後はテンポを上げて華やかに有終の美を飾るように終割りに向かいます。実は、この「美しく青きドナウ」のコーダは、合唱用と管弦楽用が用意されています。

 

以上「美しく青きドナウ」の楽曲解説でした!「美しく青きドナウ」はシンプルな主題にもかかわらず、音楽の豊かさを感じさせる、美しい作品ですね。

 

さて、第11回つくばリサイタルシーズでは、中井恒仁&武田美和子ピアノデュオがこの曲を演奏します。ピアノバージョンとなった「美しく青きドナウ」をお楽しみに。

 

(文責:芸専 広瀬)

 

part3はこちら↓

 

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