こんにちは!つくばリサイタルシリーズ実行委員会です。
今回は、第2回TRSサロンシリーズ楽曲解説第2弾として、《恋のうぐいす》、《新緑の中で》、《夢のあとに》の3曲を紹介いたします。
F.クープラン / 恋のうぐいす
なんとも優雅で可愛らしい標題のついたこちらの曲ですが、この曲を含むクラヴサン曲集第3巻第14組には、他にも鳥の名前の入った標題の曲が多いんです。この曲集の執筆中に体調が悪化していったクープランは、鳥の声に耳を傾け、安らぎを得ていたのかも知れませんね。
トリルやモルデントが繰り返される、軽やかでありながら甘い旋律は、うぐいすが歌っているようにも、うっとりと語りかけているようにも聞こえます。フルートやリコーダーで演奏されることの多いこの曲。オーボエのうぐいすはどんな声を聴かせてくれるのでしょうか。
(土肥)
https://youtu.be/ki2319Q-j8c?si=WtPO7xbs2utyA9xX
参考動画はフルートとピアノによる演奏ですが、荒木さんのオーボエと大崎さんのピアノによる《恋のうぐいす》はどのように印象が変わるのか楽しみです!
江藤光紀 / 新緑の中で
《新緑の中で》は、つくばリサイタルシリーズ実行委員会の顧問である江藤先生によって本公演のために書き下ろされた、オーボエとピアノのための3楽章構成の楽曲です。
第1楽章−プレリュード
明るく爽やかでありながら親しみやすいメロディが、オーボエからピアノ、ピアノからオーボエへ模倣されながら展開されていきます。のびのびと歌うように旋律を奏でるオーボエと、鍵盤上を駆け回るように細かな音符を奏するピアノとの対比が印象的な中間部を経て、きらめきを増した冒頭のメロディをもって明るく終結します。
第2楽章−アリア
「アリア」とは、オペラ等で歌われる美しく抒情的な独唱曲を指します。その名が冠されている2楽章では、緩やかなテンポで朗々と歌うオーボエと、それに呼応しながら複雑に絡み合うピアノが、甘いまどろみのような美しい音楽を作り上げます。
第3楽章−ロンド
弾むようなリズムが印象的に用いられている第3楽章は、民俗的な舞曲のような、あるいはファンタジーな世界を旅するRPGのような幻想的な印象を私たちにもたらします。オーボエとピアノの音色だからこそ作り上げられる色彩をお楽しみください。
(菅原)
今回の公演が初演となる《新緑の中で》。曲目解説を読んで想像を膨らませながら当日の演奏を楽しんでいただけると幸いです。
G.フォーレ / 夢のあとに
《夢のあとに》は、1891年に発表されたフランスの作曲家ガブリエル・フォーレによる美しいメロディの歌曲です。
この作品は、ルイ・アルマン・シルヴェストルの詩に基づいており、夢の中での美しい愛の体験とその後の目覚めを描いています。抒情的で感動的なメロディが特徴的な一曲です。この曲はフォーレの代表作の一つであり、多くの歌手と聴衆に愛されています。結婚式やリサイタルで演奏されることも多いので、皆さんもどこかで聴いたことがあるかもしれません。
(仲川)
さて、今回はプログラムの前半で演奏される《恋のうぐいす》、《新緑の中で》、《夢のあとに》の曲目紹介をお届けしました。
オーボエとピアノでどのように演奏されるのか楽しみな楽曲ばかりで、実際に聴けるのが待ち遠しいですね!
文責:菅原(SL M1年)、土肥、仲川