つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

2024年6月9日(日) 第2回TRSサロンシリーズ『荒木奏美 染みわたるオーボエの調べ』 チケット→https://teket.jp/1479/33549

読売日本交響楽団 演奏会レポート①

皆さま、こんにちは☀

 

先日、第14回のリサイタルでお招きする、読売日本交響楽団のトランペット奏者の辻本憲一さんが出演された演奏会に、顧問の江藤先生と本委員会の有志メンバーでお邪魔させていただきました!

本日のブログでは、その演奏会の様子を皆さまにお届けいたします♪

 

 

演奏会は、池袋にある東京芸術劇場で行われました。

東京芸術劇場 一階アトリウム

 

今回の演奏会は、「土曜・日曜マチネーシリーズ」という読売日本交響楽団の人気シリーズの1回で、指揮者や作曲家、鍵盤楽器奏者など、幅広い音楽分野で活躍される鈴木優人さんが指揮をされていました。

 

演奏会ポスター

この日のプログラムは、"バロック音楽とその影響を受けた20世紀の音楽" をコンセプトに組まれたものだそうで(終演後アフタートークより)、クープランの楽曲とラヴェルの「クープランの墓」が同じ演奏会で演奏されるという、珍しい構成となっていました。

 

一曲目に演奏されたのは、鈴木優人さん(オルガン)とリコーダー奏者のアンドレアス・ベーレンさんによる即興演奏でした。私はこれまでプロのリコーダーの演奏を聴いたことがなかったのですが、音色が多彩で、これだけ様々な表情が出せる楽器なのだと驚きました。また、オルガンも音域の幅がとても広く、二つの楽器の掛け合いが心地よい演奏でした。

 

二曲目はクープランの「〈諸国の人々〉から"ピエモンテの人々"」で、指揮者の鈴木優人さんが指揮を振りながらチェンバロを演奏されていました。私はこのいわゆる「弾き振り」を生で見たのは初めてだったのですが、指揮がない間もオーケストラの演奏が全く乱れないことに驚きました。「弾き振り」では、指揮はフレーズの始めと終わりの重要な部分だけなので、残りの部分はアイコンタクトのみで呼吸を合わせなくてはなりません。しかし、鈴木さんと読響の奏者の皆さんは、互いをしっかりと見ながら体全体を使って呼吸を合わせており、その一体感は観客側にもひしひしと伝わってきました。また、弦楽器の伸びやかさと木管楽器の軽やかさをチェンバロがしっかりと支え、盛り上げており、安定感の中にもそれぞれの楽器の技が光る、聴き応えのある一曲でした。

 

三曲目は、バッハの「ブランテンブルク協奏曲 第2番」でした。この曲では辻本憲一さんがトランペットのソロパートを演奏されていたのですが、演奏を聴き、その技量の高さに衝撃を受けました。この曲は、トランペットを木管楽器と同じくらいの超高音域で演奏し続けなければならないという、とても難易度の高い曲なのですが、辻本さんはその難しさを感じさせないくらい、軽やかで安定した演奏をされていました。私自身も少しだけ吹奏楽を習った経験がありますが、トランペットであれほどの繊細な音を出し続けるためには、本当に微妙な息づかいの調整をする必要があるはずです。それにもかかわらず辻本さんは、曲の最初から最後まで乱れることなく、軽やかな中にも表情をつけながら演奏されており、これが日本の最高峰の演奏か…と感動しました。

 

続いて、休憩を挟んだ四曲目はラヴェルの「組曲クープランの墓〉」で、この曲からは大編成での演奏でした。実は、この曲は私が個人的に大好きな曲で、この日読響の皆さんが演奏する「クープランの墓」を聴けるということで、とても楽しみにしていたのですが、その演奏はまさに圧巻でした。まず、オーケストラ全体の一体感が凄まじく、後方にいる団員まで全員が一つになって演奏しているというのがよく分かりました。特に、第1曲の「Prelude」では、冒頭の静かな旋律から徐々に盛り上がっていく場面にかけてオーケストラとともに会場全体が揺れ動くような迫力があり、1番山場のトランペットが響いた瞬間には鳥肌が立ちました。また、第4曲の「Rigaudon」でのオーボエのソロパートもとても美しく、1音1音を大切に演奏されていると感じました。静かな部分では音の美しさが際立ち、盛り上がる部分ではオーケストラの音の層の厚さが感じられ、胸の奥まで響いてくるような、心が震える演奏でした。できることならまた聴きたいです…笑

 

そして最後の曲となる五曲目は、プロコフィエフの「交響曲 第1番〈古典〉」でした。この曲でも各パートの揃い方が際立っており、息の合った演奏だったのはもちろんですが、楽器ごとの掛け合いが楽しく、聴いている人を飽きさせない演奏だと感じました。また、演奏されている皆さんがとても楽しそうで、オーケストラを楽しんで演奏している姿が印象的でした。さらに、指揮者として曲に表情をつける鈴木優人さんと、その指揮を音で体現するオーケストラとの信頼関係が垣間見えるような演奏で、これが読売日本交響楽団の作る音楽なのだと実感した一曲でした。

 

 

…ということで大変長文になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?

演奏を聴いた感動が少しでも皆さまに伝わっていれば幸いです。

第14回つくばリサイタルシリーズでは、今回出演されていたトランペットの辻本憲一さんを始めとした、読売日本交響楽団のトップ奏者の皆さんをお招きできるということで、私も今からとてもワクワクしています!

辻本さんとお写真を撮っていただきました!

 

演奏会の詳細情報については今後のブログでお知らせしてまいりますので、是非楽しみにお待ちください☺

 

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!!

 

 

文責:大脇(比文3年)