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こんにちは。
今年はゴールデンウィークが長い人だと10連休もあったようで、今頃みなさん疲れが溜まっている時期だと思います。
そんな方も是非、5月末日曜日の昼下がり、クラシック音楽を浸りにいかがですか。
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さて、今回の楽曲紹介は、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハによるフルート協奏曲 ニ短調です。
1. C.P.Eバッハについて
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)はドイツに生まれの作曲家で、ヨハン・セバスティアン・バッハの息子にあたります。父子ともに作曲家として大成しました。バッハ一族は16世紀後半から18世紀までのドイツに続いた音楽家の家系であり、他の作曲家と区別するため、彼は「ベルリンのバッハ」、「ハンブルクのバッハ」 などと呼ばれています。
同じく作曲家であった父を誰よりも尊敬し、また、ギャラント様式や多感様式を追究した彼は、音楽理論家としても有名でした。音楽史ではバロックとクラシックの橋渡しの時期に位置し、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトといった後世の偉大な作曲家たちからも高い評価を受けています。
2. フルート協奏曲 ニ短調について
C.P.Eバッハはベルリン時代に6曲のフルート協奏曲を残したとされています。弦楽オーケストラに独奏のフルートというコンチェルトの形は、バロック時代、フルートは王侯貴族に好まれたことに由来し、数多く作られています。
C.P.Eバッハが作曲したフルート協奏曲のうち、おそらく最も有名なのが、今回演奏していただくニ短調の楽曲です(6作品のうちの2作品目にあたります)。また、C.P.Eバッハのフルート協奏曲は、国王やその師匠など、宮廷で演奏することを想定していた可能性が高いとされています。チェンバロ奏者としても活躍していた彼は、鍵盤楽器のために一度書き下ろし、それをフルートなどのために編曲して完成させたと考えられています。
ニ短調協奏曲の第1楽章はアレグロで、協奏曲らしい楽器同士の掛け合いが心地よい音楽となっています。短調ではあるものの、明るさも感じさせるようなメロディーが聴こえてきます。
第2楽章はゆったりとしたスピード感で、どこか懐かしさやのどかな雰囲気が感じられます。フルートの独奏は、小鳥のさえずりのような穏やかさが醸し出されています。
第3楽章はアレグロ ディ モルトといって、極めて速いスピードで展開されます。急激に疾走感漂うロマンチックなクライマックスを迎え、フルートは連符続きの高度な演奏技術が求められます。
C.P.Eバッハは生前高い評価を受けていたものの、19世紀には低く見られることもありました。しかし、今日このフルート協奏曲ニ短調をはじめとする様々な曲で、再評価される傾向にあります。
今度の演奏会では、この楽曲をサクソフォンの独奏とピアノに編曲し、第1楽章をお届けいたします。
どうぞ、お楽しみに。
文責:広瀬(芸専2年)