つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

2024年6月9日(日) 第2回TRSサロンシリーズ開催決定!

曲目紹介No.1 グリーグ:ホルベルク組曲

あけましておめでとうございます。

いよいよ第12回リサイタルまで残すところ2週間となりました。

 

まだチケットは販売しております!

↓購入はこちら↓

https://teket.jp/1479/16877

 

 さて、本日は第12回リサイタルの曲目より、グリーグのホルベルク組曲を紹介します!

youtu.be

 ホルベルク組曲は、ノルウェーの作曲家エドヴァルド・グリーグの1885年に発表された弦楽合奏曲です。もともと前年にピアノ独奏曲として作られたものがありましたが、作者自ら弦楽合奏用に編曲しなおしたものが有名になっています。

 正式名称は『ホルベアの時代から』で、ホルベルク組曲という呼び方はドイツ語で省略されたときの呼び名です。ホルベアというのはデンマーク文学の父とも呼ばれるルズヴィ・ホルベアで、同曲はホルベア生誕200年の記念に作曲されました。よって、この曲はホルベアが生きた時代(=バロック音楽時代)に思いを馳せて作られました。それを示すように、「古い様式による組曲」という副題も添えられています。

  1. プレリュード

 バロックらしい落着きや重厚感を持ちながらも明るく華やかに展開していきます。全編を通して流れる中低音の軽やかなリズムと、途中で入るのびやかなヴァイオリンのメロディーの対比が特徴的です。華々しい記念祝典の幕開けを感じさせる前奏曲です。

  1. サラバンド

 サラバンドとは、三拍子の優美で荘厳な舞曲のことで、バロック組曲を構成する一つです。「プレリュード」の縦に細かく刻むようなリズムとは打って変わって、ゆったりと流れるような荘重なリズムが特徴です。この曲調の骨格を担っている低音部にもぜひ注目して聞いてみてください!

  1. ガヴォット

 ガヴォットとは、フランスの二拍子の舞曲のことで、もとは農民の踊りでした。この曲では同じフレーズが楽器編成を変えて何度も登場し、その音色の違いやダイナミクスの変化が味わえるのが魅力です。短い間に雰囲気がころころ変わるので、次はどんな音が来るかな? とわくわくさせてくれる、楽しい曲です。

  1. エアー

 中間部の前後を同じメロディーで挟む三部形式で、バロック時代の様式に倣ったものになっていますが、ここまでの3曲とは異なり、短調で少し陰鬱さのある響きはグリーグ自身の特徴です。高音部の突き上げるようなメロディーは、陰の中にも確かな熱量を持っていて、静かな慟哭を思わせます。仄暗い中から浮かび上がってくる音律の美しさが非常に印象的です。

  1. リゴードン

 組曲の最後を飾るのはバロックらしい、二拍子の軽やかで優美な舞曲です。「エアー」の別世界から元の場所に戻ってきた音楽は、中高音中心の構成にピチカートが楽しげに華を添え、幕引きへと向かっていきます。

 

次回はモーツァルトのディヴェルティメントの紹介をお届けします!

 

文責:松浦/須澤