つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

2024年6月9日(日) 第2回TRSサロンシリーズ『荒木奏美 染みわたるオーボエの調べ』 チケット→https://teket.jp/1479/33549

楽曲解説Vol.3 ドヴォルザーク 「ロマンティックな小品」

 

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こんにちは、つくばリサイタルシリーズ実行委員会です!

 

新緑のきれいな季節になりました。日中、気温が高い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は、ようやく花粉アレルギーから解放されてほっとしています。下の写真は筑波大学構内で撮ったものです。街路樹の葉が青々と茂っていて清々しいですね。


今回は、TRSサロンシリーズの楽曲解説となります。

紹介するのは、ドヴォルザーク作曲「ロマンティックな小品」です。

 

ドヴォルザークチェコの作曲家です。

ドヴォルザークといえば「新世界より」や「アメリカ」などが有名でしょうか。今回紹介する「ロマンティックな小品」も、彼の数ある名曲のうちの1つとされていて、非常に人気が高い作品です!

 

《作曲ストーリー》

 この曲が作られた当時、ドヴォルザーク家はプラハで夫人の母親と同居していました。彼女は、ヨセフ・クルイスという若い学生に部屋を貸していました。クルイスは、プラハ国立劇場管弦楽団に所属していたヤン・ペリカンに師事しており、2人はしばしばデュエットでヴァイオリンを弾いていました。

 その演奏を聞いていたドヴォルザークは、2人と共演できるような弦楽三重奏を作曲することを思い立ち、最初に「三重奏曲ハ長調」という曲が誕生しました。しかしながら、この曲はクルイスには難しすぎたため、簡単な別の曲を作曲することになりました。そうしてできたのが「ロマンティックな小品」なのです。

 

《ロマンティックな小品 について》

「ロマンティックな小品」は、4つの小さな曲が集まって構成されています。

それぞれの曲には題名がついています。

 

 1、「カヴァティーナ」 モデラー

 2、「奇想曲」 ポコ・アレグロ

 3、「ロマンス」アレグロ 

 4、「悲歌(バラード)」 ラルゲット

 

 第1楽章はゆったりとした雰囲気で曲がスタートします。おしゃれなカフェで流れていそうな、優雅な印象を受けます。個人的には、朝に聴くのにぴったりな曲だと思います!この楽章はJR東日本のCMに起用されたこともあるので、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

 

 第2楽章はがらっと曲調が変わり、激しさが増します。この楽章は民族音楽の要素を取り入れており、特に最後の部分にその特徴がよく表れているそうです。強弱がはっきりしていて情熱的な印象を受けます。

 

 第3楽章は、もういちど穏やかな曲調に戻ります。トリルが続く軽やかな伴奏に合わせて、なめらかなメロディが聞こえます。「ロマンス」という題名が付いているとおり、どこか空想的で夢見心地な曲調です。

 

 第4楽章はしっとりと哀調を感じる旋律です。短いフレーズが繰り返され、もの悲しさを感じます。4つの中で、一番手の込んでいる曲だと言われています。第1楽章とは反対に、夜に聴くのにぴったりな曲だと思います。

 

今回は、ドヴォルザークの不朽の名作をサクソフォンで演奏していただきます。

塙美里さん・小山和さんによる演奏をどうぞ、お楽しみに!

 


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文責:長田 (人文1年)