つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

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中井恒仁&武田美和子ピアノデュオにインタビュー! Part.2

1月23日(日)に開催、「2台ピアノで奏でるオーケストラ~名曲を旅する~」まで約1週間!

今回は、中井恒仁&武田美和子ピアノデュオのインタビュー記事Part.2をお送りします!1時間を超える長いインタビューでしたが、終始とても明るく穏やかにお話してくださり、オンラインでも幸せな雰囲気が伝わってくるようなとっても素敵なお二人でした。

ピアノデュオを聴くのがもっと楽しみになるお話が詰まっているので、ぜひ最後までご覧ください!

 

前回の記事はこちらです↓↓↓

中井恒仁&武田美和子ピアノデュオにインタビュー!part1 - つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

 

目次

 

Q.ピアノデュオを初めて聴く人に向けて、ぜひ聴いておきたいイチオシの名曲はありますか。

武田

ロシアの作曲家はピアノデュオの曲をたくさん書いていて、なかでもラフマニノフの「2台ピアノのための組曲は定番ですね。第1番は詩が添えられた、とても繊細で素敵な曲です。第2番は、ラフマニノフがスランプから這い上がってとても良い作品を書いて成功を収めていく時代に書かれた曲で、すごくおすすめです。

こういったオリジナル曲のほかには、シンフォニーの作曲家本人がそれをピアノデュオに編曲している場合も意外と多くて。ブラームスが自作のシンフォニーを二台ピアノや連弾に編曲した曲には良い曲がとても多いですね。特に、「ハイドンの主題による変奏曲」の二台ピアノ版は響きがとても綺麗で。連弾だと、シューベルトが仲間と集って書いた連弾曲がたくさんあるのでおすすめです。

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にこやかな武田さん(左)と中井さん(右)

中井

ピアノデュオのオリジナル曲も好きですが、僕は今回弾くベートーヴェンの第九は元々大好きな曲で。オーケストラだけでなく二台ピアノの編曲の響きも素晴らしいですし、曲の内容も素晴らしいので内面的なものも感じやすいと思います。

 

武田

シンフォニーが二台ピアノや連弾に編曲されると、シャープになるというか、作曲家が表現したかったメロディーや和声のとても大事な部分が残るんですね。オーケストラの弦楽器もすごく綺麗な音だけど、瞬間的な音はやんわりしているので、ふわーっと流れていくような音響というか。でも、ピアノはシャープでクリスタルな響きも出すことができて、リズムもぴたっと重なるので、華やかさやスピーディーさといったピアノの音響ならではの面白さがあります。そういった面で、オーケストラとは別の楽しみ方もできる気がしますね。

なので、よく知っているオーケストラ曲で、作曲家自身がピアノデュオに編曲している曲を聞いてみるといいんじゃないかな、と思いますね。

 

 

Q.つくばリサイタルシリーズは、普段はクラシックをあまり聞かない方にも気軽に楽しんでいただきたいという想いで活動しています。そうしたお客様に向けて何か伝えたいことはありますか。

武田

クラシックのコンサートに来たことがない方には、敷居が高くて厳しそうだから行きにくいと思っている人も多いですよね。でも、私はそういうクラシック音楽のイメージを取り払いたいな、と思っていて。ぜひ、リラックスした気持ちで音の世界やホールの空間に身をゆだねて、楽しんで聴いていただきたいです。それから、私たちがどういう気持ちで弾きたいかなどをトークで案内することで、お客様が少しでも聞きやすくなるように工夫できたらなと。そして、何よりも、お客様に楽しんでいただくために、気合を入れて精一杯演奏したいと思っています!

 

中井

言いたかったことを大体言われてしまいました(笑) クラシック音楽ってこういう風に聞かなきゃいけないと思われやすいですが、決してそうではないんです。皆さんには、その音楽を聴いて自由にいろいろなことを感じてほしいなと思います。ただ、曲のつくりなどを知ると、より聴きやすくなったり中身が見えやすくなったりすることもあるので、そういったトークも入れたいなと。当然、音楽そのものによって何かメッセージを伝えたいですが、音楽にはすべてのものが含まれていて、どこに一番魅力を感じるかは人それぞれ違って当然なので、まずはリラックスした気持ちで聴いていただけると嬉しいな、と思います。

 

 

さて、Part.2はここまでになります。お二人の生演奏を聴くのがさらに楽しみになったのではないでしょうか。Part.3では、技術面や演奏で意識していることなど、ピアノ経験者にも初めて聴く人にも有益なお話が満載です!ぜひ楽しみにしていてください!

 

そして、チケットが完売間近となっております。迷っている方、ぜひお早目にお申し込みください!!!

teket.jp

 

出演者概要

中井恒仁&武田美和子ピアノデュオ

日本で唯一、世界でも大変稀な、それぞれのソロとデュオ両部門で「国際音楽コンクール世界連盟WFIMC」加盟のコンクールで入賞しているピアノデュオ。夫妻で共に東京藝術大学ミュンヘン国立音楽大学大学院修了。6枚のCDをリリース。レコード芸術誌特選盤等に選出され、3枚のCDが全日空国際線オーディオ番組でも放送される。TVやラジオの出演や、音楽誌「ショパン」の連載やデュオ特集では表紙を飾る。アメリカ、ドイツ、イギリス、中国等、海外でも多くのリサイタルを行い「ナイトの称号を与えるべき音楽芸術」と最高級の言葉で新聞紙上にて高く評価される。フランス、韓国、中国の音楽祭に指導と演奏で招聘される。2014年久留島武彦文化賞受賞。

中井恒仁
日本音楽コンクール第3位、国際コンクールにおいて、ブラームス第2位、セニガリア第1位、ヴィオッティ'97第3位。現在、桐朋学園大学ピアノ部会主任教授、名古屋音楽大学客員教授

武田美和子
全日本学生音楽コンクール高等学校の部、東日本第2位、国際コンクールにおいて、マリア・カナルス第3位、ヴィオッティ'98第3位入賞。上野学園大学、埼玉県立大宮光陵高等学校、桐朋学園大学大学院講師。

 

文責:大吉(人文3年)

 

part3はこちら↓

 

recitaltsukuba.hatenablog.com