つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

第10回記念公演は5月22日(土)、つくばカピオにて!

楽曲解説part.3 弦楽四重奏曲第三番《吉祥天の微笑(ほほえみ)》

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先日新学期を迎えたと思ったばかりでしたが、気づけば5月に突入しておりました。

上着を着ていると暑さを感じるほどの日差しに、夏の気配を少しずつ感じています。

 

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ツツジがきれいに咲いていました

第3弾となる楽曲紹介。今回は

弦楽四重奏曲第三番《吉祥天の微笑(ほほえみ)》/江藤光紀

をご紹介します。

 

この曲は2019年度におこなわれた第8回つくばリサイタルシリーズにおいて、カルテット・アマービレによって初演されました。今回は同団体による2回目の演奏になります。

第8回の様子はこちらから↓

カルテット・アマービレ~若き才能の織りなす未来の音~ 無事開催しました! - つくばリサイタルシリーズ公式ブログ (hatenablog.com)

 

今回は曲紹介動画を作成しました。各楽章の冒頭を聴くことができるので、曲の雰囲気を感じてみてください。

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吉祥天とは仏教における美や福徳、安楽の神です。

作曲者によると、この曲には「その功徳が世の中のあらゆる生命にあまねくいきわたりますように」という願いが託されているということ。

 

第一楽章の「海鳥の飛ぶ浜辺」は、タイトル通り広い空と海、そしてその間を飛ぶ海鳥が浮かぶ晴れやかな楽章です。

穏やかでメロディアスな雰囲気ではじまり、海鳥の鳴き声のようなヴァイオリンの音色が情景を描きます。一転、低音が鳴り響く重々しい雰囲気となり、荒天の海岸線が浮かびますが、嵐が過ぎ去るとまたのびやかに海鳥の飛ぶ景色が訪れます。推進力をもったヴィオラ、チェロにのびやかなヴァイオリンが重なり、見上げるとさらに広がる青空を思わせます。

 

第二楽章「秘密の花園」は、どこか懐かしさが漂う落ち着いた旋律が奏でられます。ヴィオラの豊かな音色が美しさだけでない妖艶さを醸し出し、チェロは静謐さにあふれた花園を演出します。

繰り返されるヴァイオリンの旋律は、チェロとヴィオラの色とりどりな表情に呼応するように様々な顔を見せます。穏やかなバラの変奏曲は妖しげな雰囲気で結ばれます。

 

第三楽章「見えない階段」は、これまでの楽章とはうってかわって情熱的で勢いのあるメロディを奏でます。緊張感にあふれるピチカートによってつくり出された張り詰めた雰囲気のなかから、ヴァイオリンの豊かな旋律が顔をのぞかせます。

各楽器が重なるように奏で合い、階段を踏みしめるように進んだ先に光のようなさわやかなメロディが織りなされます。再度緊張感のあるフレーズに突入した後のどかな時が訪れ、ヴィオラの豊かな音色とヴァイオリンの響きが重なり合い、平穏の中にフィナーレを迎えます。

 

いかがでしょうか。あくまで私の感想ですが曲の雰囲気を伝えられたでしょうか。

この曲が初演されたとき、私は委員の控室で演奏を聴いていました。

初めて聞くのにどこか懐かしさのある音楽。おもわず空を仰ぎたくなるような晴れやかな気持ちになったことを思い出しました。

 

是非、会場で生の演奏を体験していただきたいです!

 

楽曲紹介のpart1,part2はこちらからどうぞ。

楽曲解説Part.1 「Echoing Voices ――弦楽四重奏のための」 - つくばリサイタルシリーズ公式ブログ (hatenablog.com)

楽曲解説part.2 弦楽四重奏曲第2番「うつし世は、ゆめ」 - つくばリサイタルシリーズ公式ブログ (hatenablog.com)

 

 

文責:岩永(3年)