つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

2024年6月9日(日) 第2回TRSサロンシリーズ『荒木奏美 染みわたるオーボエの調べ』 チケット→https://teket.jp/1479/33549

會田瑞樹さんとのインタビューレポ

こんにちは!

 

第9回つくばリサイタルシリーズにご出演していただく會田さんとのインタビューをしました。

前回、會田さんのソロリサイタルで1度お会いしたことがあったので、今回はリラックスしてインタビューをすることができました。

その内容をお伝えしようと思います!

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オンラインインタビューの様子はこちら!

youtu.be

 

目次

Q.1 今回の選曲について

これまでの初演作品の中からメインプログラムとなる曲を5,6曲出して、江藤先生と学生のみなさんにも聞いていただいたんです。みなさんの意見も踏まえて「水野修孝:ヴィブラフォン独奏のための 三章」を選曲しました。

この曲は2013年に作曲していただいた曲で、ずっと弾き続けている作品なので、ぜひ皆さんに聞いていただけたら、と思っています。

 

Q.2 自身の演奏する楽器について

ヴィブラフォンは、金属でできた音盤が3オクターブ敷き詰められた楽器です。ペダルをオープンにすると音はのび続け、止めると一瞬にして余韻が止まるので、そのコントラストを上手く使うことができます。あとは、特殊奏法みたいなこともしたり、様々な音色を持っていて、いろいろなことができるんですね。

ヴィブラフォン1920年代にアメリカで生み出された楽器で、ようやく来年で製造から100年になります

そして、電気楽器の一つでもあります。ヴィブラフォンの音盤一つ一つには扇風機のようなファンがついていて、電源を入れるとファンが回り出します。ここでも、ファンの回転数を速くしたり、 遅くしたり、あるいはまったく使わなかったりといろいろな選択肢があります。

このように音のヴァリエーションがとても豊富なところがこの楽器の魅力だと僕は思っています。

 

Q.3 演奏時意識していること

僕は必ず緊張するんですね、でもそれは当たり前なことだと思っていて、舞台というのは特殊な環境にあると思うんです。お客様が座られて、舞台というものがあってそのステージに向かっていって、一連の所作を終えて演奏に入っていく。ある意味、様式美みたいな感じがあって日常に味わうものでないんですね。ちょっと違う感じの空気感に飛び込んでいくことが音楽家の仕事だと思うんです。だからもちろん緊張もするし、そこに向かっていくために、気持ちを高めていくことが大事だと思っています

運動選手のように決まったルーティンをするわけではないけど、肩甲骨をグルグルしてみたり、ちょっとジャンプしてみたりして、体をほぐしながらそのまま舞台に飛び込んでいきます。

やっぱり、そういった一連の流れは、緊張することも含めて僕にとってたまらなく楽しく、音楽をすることへの喜びの一つなのではと考えています

 

Q.4 今回の編成(ヴァイオリン・ピアノ・打楽器)について

アノトリオに近い印象を持っています。ピアノトリオはピアノ・ヴァイオリン・チェロという編成ですが、 そのチェロの代わりがヴィブラフォンマリンバだと思ってる。その中で、僕(ヴィブラフォン)は中音域と高音域をカバーしているのかな? 

僕自身は、ヴァイオリンとマリンバ、ピアノと ヴィブラフォンといった共演は今まで何度もしてきているのですが、このトリオ編成は初めてです。 だから、僕自身とても楽しみですし、お客さんにも今まで聞いたことがないような新しい響きを楽しんでいただけるのではないか、と期待しています。

 

Q.5 コロナ禍での音楽界について

一口には表せませんが、本当に現在進行形で大変ですよね。僕は2月12日に大阪での演奏が終わったあとから 突然キャンセルの依頼が続発して、5月まで何も演奏会がなくなったんです。自分にとって初の出来事でどうしようかなと思うと同時に、結構落ち込みました。それから、多くの人たちによって安全性の研究や会場の工夫が少しずつ積み上げられていって、6月から公演を少しずつ再開できるようになって。こういうことは、本当に一個一個積み上げてみんなで突破していくしかないと思います。

僕は、4月ごろに好きな絵本作家の五味太郎先生のインタビューを読んで「パンデミックがなかった以前の自分たちの生活は本当に素晴らしいものだったのか? あの時をずっと持続できたのか?」と考えたんですけど、2019年やそれ以前の状況というのは、とっても無理に無理が重なっていたことがたくさんあって今爆発してしまったと思うんです。だからこそ、いま僕たちが自分たちの力でもう一回良くしていかないといけない、と考えさせられる機会でもあると思います。

これから音楽にしても社会にしても、自分たちの意見をしっかり持って、議論を重ねてやっていくのが大事なんじゃないかと思っています。

 

Q.6 今後の活動の展望

ヴィブラフォンアメリカのシカゴで生まれた楽器で100周年を迎えますヴィブラフォンのことをもっと知っていただきたいので、状況が許せれば演奏会のほかに、シカゴの工場フィールドワークや製造していた人たちにインタビューをしてみたい。

演奏会っていう形にこだわらないで様々な場所で音楽を楽しめるように努力していきたいです。

 

Q.7 ご来場の皆様へ一言

ご来場いただき誠にありがとうございます。寒い中ではありますが、心が熱くなるような音楽会にして いきたいと思っておりますので、ぜひお楽しみいただけたら幸いです。

 

インタビューのはじめから最後まで會田さんの朗らかな雰囲気とヴィブラフォンに対する熱意が伝わってきました!

 

今後のブログでは福田さん、高橋さんのインタビューについてお伝えしていきます。

 

以上です

文責:舩橋(生物1年)