つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

2024年6月9日(日) 第2回TRSサロンシリーズ『荒木奏美 染みわたるオーボエの調べ』 チケット→https://teket.jp/1479/33549

カルテットアマービレさんの練習見学レポ♬ (前編)

 

こんにちは!

今回は、なんと!!!第8回つくばリサイタルシリーズにご出演いただくカルテットアマービレさんの練習を見学させていただくために、桐朋学園大学にお邪魔しました!!!!!

今回はその練習見学の模様をお伝えします!

 

 

1月12日、実行委員の4人はつくばエクスプレスから乗り継いで東京都調布市桐朋学園大学仙川キャンパスへ。門をくぐると、同じ大学とは思えないほど綺麗なロビーが…✨

ご本人を前に緊張気味の委員でしたが、アマービレのみなさんがとても気さくに優しく出迎えてくださいました!

 

 

はじめに対談形式でインタビューをさせていただいたので、その様子をお伝えします。

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右側から篠原さん、北田さん、中さん、笹沼さん。手前は実行委員。

 目次

 

Q1. 今回の選曲のポイントは?

 

北田)最初に演奏するハイドンの「ひばり」は、ご存知の方も多い曲なので、ご挨拶代わりに演奏できたらなと思っていて…。あとは、ウェーベルンメンデルスゾーンの2曲ってのは、わたしたちの中でも新しめのレパートリーなんですけど、その作曲家の他のカルテットの曲を練習したときに、わたしたちの個性とかに合っているかな、と感じて選びました。どれもすごくいい曲ばかりで、お気に入りの曲です!

ハイドンの「ひばり」から、メンデルスゾーンウェーベルン、そして江藤作品(初演)も演奏させていただくんですけれど、古典派から現代の作曲家まで時代ごとにやると、カルテットのいろんな魅力が伝わりやすいかなと思ってこの選曲にしました。

 

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Q2. みなさんにとって弦楽四重奏の魅力とは?

 

北田)たくさんあるけど、4人っていうアンサンブルは、3人とか5人とかいろいろある中で、やっぱりすごくバランスがいいというか、奥行きがあると思います

)カルテットには、4人の編成ならではの緊張感がありますね。ほかの編成を弾いた後にカルテットをもう一回弾きなおすと、すごい緊張感があるなっていうのを感じます。4人なのに音の厚みもすごい出るというか、カルテットならではのサウンドっていうのがカルテットには特にあるかなって思う…

北田)うん。より親密な感じのアンサンブルが、他のピアノとか、そういうのが入るのとはまた違う親密なアンサンブルができるのかなって

笹沼)あとは、よく言われることだけど、大作曲家が作曲家を志したほんとに初期に、ある意味習作みたいな形でよく書かれる編成なんだよね。それでいて、シンフォニーとかオペラとかいろいろな編成の曲を書いてきた作曲家が最晩年に、集大成のような意味を含ませたような形で書くジャンルでもありっていう…。ベートーヴェンとかどの作曲家にも言えることだと思うけど、オーケストラとかにくらべて(カルテットは)人数もすごい少ないんですけど、内容であったりとか、その音楽の耳に届く響きっていうものは、作曲家が賭けてきたというか、その作曲家の想いが特に伝わる編成かなって

)うん、なんか濃い部分っていう

篠原)あとは、一曲を仕上げるのにすごい時間をかけて、4人で突き詰めていけるっていうのも魅力だなって思う。オーケストラとかだと練習回数が決まってて、そのなかで作らなきゃいけないとこもあると思うんですけど、カルテットは

笹沼一生かけてもね

)うん、ゆっくり

篠原)そう、一生かけて突き詰めていける音楽だと思います。

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笹沼さんの話にうなずく皆さん

 

Q3. カルテットアマービレとしての展望は?

笹沼)これはやっぱり、隊長(篠原さん)の展望を聞きたいかな

篠原)あの、昨年の1月に開催されたヤングコンサートアーティスト(YCA)のオーディションで1位をいただいたんですけど、その副賞で2021年から3年間、アメリカのニューヨークとかワシントンなどでツアーをさせていただくのが決まっていて…。ほかにはヨーロッパでもコンクールについてこれから考えたり、コンサートのオファーもいただいていたりしています。なので、世界に目を向けて、これから演奏活動をしていきたいと考えています

 

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展望を語る隊長に耳を傾けるみなさん

 

Q4. つくばリサイタルシリーズへご来場のみなさまへメッセージ

 

)わたしたちはつくばに初めてお伺いさせていただきます。それと、さっきもちょっと話したんですけど、今回カルテットの魅力がたくさん詰まった曲をお届けできると思うので、楽しみに聞いていただけたらと思います。あと、学生のみなさまにサポートしていただいてこの演奏会が成り立っていると思うので、本当に感謝の気持ちです

篠原)あの、つくばってノバホールありました?

(委員)あ、はい、あります

篠原)あ、うん…

笹沼)だからなんなの(笑)

(一同)笑い

 

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篠原さんの謎の間に笑ってしまうみなさん

篠原)あの、一度コンサートで弾かせていただいたことがあって、それ以来なんですけれども、つくばの皆さんがすごく温かかったのを今思い出して、また演奏させていただけるのをすごい楽しみにしています!

笹沼)つくばは意外とつくばエクスプレスがあるから、近いですよね!すごい近いと思います。あとは、今回こうやってコンサートを作ってくれるみんなも学生さんで、学園都市なんですよね。だからコンサートに来てくれる人も若い人が多いのかな、って勝手に僕は期待してます(笑) 僕らの演奏を聴いて、ほんの一瞬でもこれいいなって思える瞬間というか、そういう瞬間って忘れられない瞬間だったりするので、そういった若い世代の人たちに聞いてもらえるっていうのが楽しみです。

あと、前もって企画をしていただいてる方々と連絡を取り合いながらとか、こういう形でひとつのコンサートを作っていくというのはなかなかないので、そういった意味で一丸となってコンサートを作れるようなイメージがあって、それも本当に良いところだな、と思っております

北田)そうですね。演奏会があるまでの期間で本当に温かいサポートをみなさんから受けているので、すごくありがたく思っています。つくばは初めて訪れるのですが、当日もみなさんが楽しんでいただける演奏ができるように、精一杯がんばりたいと思います!

 

 

Q5. それぞれの楽器の魅力を教えてください

 

篠原)基本的にメロディーを演奏する旋律楽器なんですけど、こうやってカルテットとかで演奏するのが私はすごい、いい曲がたくさんあって、好きですね

北田)やっぱり華やかなところが魅力で、っていう意味ではセカンドバイオリンは…。もちろんバイオリンなので華やかなメロディーにも憧れつつ…!(笑) でもやっぱり内声という楽器としては、間に挟まれて弾くっていう快感と、リズムとかいろんな意味で音楽を支配できるっていう魅力があると思います

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セカンドバイオリンの魅力を語る北田さん

ヴィオラは、バイオリンとチェロのちょうど間の音域で、ちょっと変わった楽器というか(笑) カルテットを弾いているときには内声といって、刻みだとか音楽的な部分の中身を作っているので、音楽作りという面ではヴィオラはほんとに魅力的な楽器だと思います。あと、たまにメロディーが来るんですよ!もうそのときの”喜び”は、もう魅力です!

(一同)笑い

 

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ビオラの魅力を語る中さん

笹沼)僕はやっぱりチェロという楽器の音色が好きですね、まず。弦楽器の良さもありつつ、人の声って言われるだけあって、メロディーを弾くにしても本当に歌心を込められる楽器ですし。それで、もともとチェロという楽器は、通奏低音であったりとか、音楽の根っこになる部分を担ってた楽器なので、カルテットを弾くときとかオーケストラを弾くときとかは、土台を支える楽器で…。音域が広いのでそういういろいろな役割を担うことができるっていうのが強みのひとつだと思っています。あとは、いろんなジャンルを演奏するうえで、いい意味で便利というか、自分が表現したいことが伝えられる一番はやい手段、一番いい手段として、すごい魅力を感じる楽器です。

 

Q6. アンサンブルで大事にしていることは?

北田)高校生のときにはじめて弦楽四重奏をやったとき、先生から「目配り・気配り・心配り」っていう、目で見ることと気配りと心配りが大事だよっていうのを教わりました。それからアンサンブルをする上では、それを一番に考えてて…。でも合わせるってことだけ考えてると、どんどん(音楽が)小っちゃくなっていくので、それぞれの楽器がちゃんと主張した上でまとめると、音楽が大きくなっていくのではないかな、と考えながら練習しています。

 (一同)同意

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北田さんの素晴らしいお話にうなずくみなさん

 

Q7. YCAオーディションでのエピソードは?

 

)なんか面白いことあったっけ?

篠原)あ、下がってたのは?(笹沼さんを指しながら)

北田)あ~!面白いことあったね(笑)

笹沼)エピソードというか、ハプニング!だよね。オチはすごく寒かったっていう話なんだけど…。ニューヨークのマンハッタンはとにかく寒くて乾燥してたんだよね!で、楽器の調子は悪くはならなかったんですけど、エンドピン(チェロを支えるためのピン)が緩んじゃって、本選弾いてる間に

)途中までは全然気付かなかったんですけど、「アレ⁉」みたいな(笑) ちょっと短くなってるかなって

笹沼)そう、最後舞台袖に戻るときに見たら、これくらいしかなかった

 

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エンドピンの長さを手で表現する笹沼さん

(委員)演奏されてるときは、どういう気持ちで

笹沼)いやあ、何とも言えない気持ち(笑) だからこれでヘマしたら、ね、結果がついて来なかったらどういう気持ちだったんだろうなって

 

)(エピソードは)こんな感じかな、今回そんな面白いことなかったよね?

笹沼)(北田さんを見ながら)今回なくさなかったしね、物とか

北田)いつも、海外で必ずなくしものをしてしまうんです

笹沼)一個はなくすんだよね、かならず。携帯とかね

パスポートとか

笹沼)結構なやつをね(笑)でも返ってくるんだよね。でも今回はなかったからね

(委員)あ、それは、おめでとうございます。

(一同)笑い

)あと、私たちは、海外にコンサートとかコンクールとかで行くと、絶対に現地のものではなくて日本食を食べに行くっていう面白い習慣があります(笑)

笹沼ハンバーガーとかステーキっていうよりは、とりあえず日本食にね

篠原)ステーキは一回も食べなかったよね!

(委員)世界で一番おいしかった日本食は?

笹沼)あ、でも、ニューヨークはけっこうレベル高かった

篠原)うん、日本人の方が経営されてて、お客さんも日本人が多かったから

北田)わたしたちは、食の好みとかいろんな他の面でも気が合うことが多いので、楽しくいろんな場所に行って、過ごしてるかな、って思います

(委員)特に、共通して好きな食べ物は?

北田日本食かな?

笹沼)うん、でも、こっち(日本)に来てるときはそんなにこだわりないよね

)そう、海外にいるときに、”異様に”食べに行く

笹沼)通うからね

(委員)現地のものは全く食べないんですか?

)一回は食べとこ、みたいな感じです(笑)

(委員)演奏以外の面でもとても仲が良く楽しく活動されてらっしゃるんですね

笹沼)うん、そうですね、そこが意外と大切ですね。僕らの周りには良い音楽家の仲間がたくさんいるなかで、この4人でできるっていうのは、そういうところが合ってるからだよね。家族以上に時間を過ごしているメンバーなので、そういうところが大切だと思います。

(一同)同意

(委員)以上でインタビューは終わりです。今日は貴重なお話をありがとうございました!

 

 終始和やかなムードで4人の仲の良さが伝わってきました。アンサンブルの心構えや遠征先でのエピソードなど幅広いお話を聞くことができ、とても充実したインタビューになりました!カルテットアマービレのみなさん、ありがとうございました!

 

 

次は、練習の様子をお伝えしていきます。後編へつづく…

 

文責:大吉(人文1年)