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サロンシリーズ第一回は塙美里サクソフォン・リサイタル! 5月29日(日)アルスホールにて! 購入:teket.jp/1479/11731

【インタビュー後編】カルテット・アマービレがコロナ禍で気付いたこと

カルテット・アマービレさんのzoomインタビュー後編です!

(前編はこちら👇)

recitaltsukuba.hatenablog.com

コロナ禍の音楽活動で感じた変化や、世界を見据えているからこその視点、第10回の見どころなどボリュームたっぷりにお届けします。

 

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カルテット・アマービレ(左から笹沼樹さん、中恵菜さん、篠原悠那さん、北田千尋さん)

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実際のインタビューの様子はこちらから(ダイジェスト版)👆

 

コロナ禍の音楽活動で感じたこと

笹沼)みんなも授業とかオンラインだったんですよね。

(委員)はい。今は少しずつ対面授業も再開しました。

 

――― 人と演奏すること。お客様がいること。

北田)私たちも本当に本番がなくなってしまって、数か月も合わせることすらできない状態が続いて。それから久しぶりに会って合わせたときにはすごく感動しましたね。やっぱり人と一緒に演奏することで、すごく心が満たされていたんだとわかりました。そのことに気付けたので、悲しいことも多かったけど、こういう期間があってよかったのかな、と思います。

)コンサートが4か月くらい全部飛んでしまって、びっくりしました。再開するにしても、無観客や配信とか。私たちにはそうした経験がなかったので、改めてお客様がいてエネルギーを感じながら演奏できる幸せを噛みしめました。もちろん無観客やオンラインにも良さはありますが、お客さんがいっぱい入ったコンサートで演奏したときにはやっぱり感動しましたね。昔はそれが当たり前だと思っていたので、そこは「気づけて良かったな」と思います。

 

――― オンラインには良いところもあった。

笹沼)たしかに、こういうネガティヴな影響もたくさん考えさせられる時期でしたが、その一方、あらゆる音楽家からの「発信するんだ」という意志を感じられた時期でもありました。なかには、とても高いクオリティで配信されるものもありましたよね。オンラインだと世界中から見られますし。

それに、僕たちのリハーサルの仕方も少し変わりました。というのも、最初から集まって練習をするのではなくて、まずビデオ通話で楽譜を持ち寄って細かい場所の確認をしたりアイデアを出し合ったりするようになったんです。それから、実際に会って音を出すと、頭が整理されてクリアになっているのをすごく感じて。ある程度まで意思の疎通ができた状態になってから合わせる、というリハーサルの過程を見つけられたのは、こういうことがあったからだと思います。そうしてみると、現代のいろいろなテクノロジーを駆使することで幅が広がったと考えることもできますね。

(委員)コロナ禍で新しいリハーサルの仕方が誕生したというのはすごく新鮮ですね。

笹沼)今までだったら、リモート演奏なんてやりたくもないって考えてる人ばっかりだったと思うんですよね。でも、音楽家たちが一緒に音楽をやることに飢えていたからこそ、最終的にああいう形態になったわけで。今の技術では残念ながらタイムラグがあって同時に演奏することはできませんが、もしかしたら何十年後には指揮者がいて同時にリモートで演奏する、なんてことが起こる日も来るんじゃないかという予感は感じられましたね。

 

Q4. 今後の活動の展望

篠原)本当は今頃YCA(ヤング・コンサート・アーティスツ)の副賞のツアーアメリカにいる予定だったんですけど、3年契約でツアーが来年に延期されたので、これから取り組んでいくことになると思います。それと同時に日本では、白寿ホールさんでブラームスシリーズ王子ホールさんでベートーヴェンのシリーズがあるので、まずはそれに向けて頑張っていこうと考えています。

ブラームスベートーヴェンもすごく楽しみですが、将来的にはバルトークショスタコーヴィチのような近現代の作品や、モーツァルトハイドンなどの作品もできたらなと思っています。

 

Q5. 江藤先生の作品を演奏されるというのはみなさんにとってどのような意味がありますか。

笹沼)それは面白い質問ですね。

弦楽四重奏は世界中にあって、それぞれの国がそれぞれのやり方で弦楽四重奏団を守っているんですね。たとえばアメリカでは、大学がレジデントカルテットというものを持っていて、一般教養として教えたり、学生さんと一緒に演奏したりすることもあります。フランスにはカルテットの養成機関があって、数えきれないほどの弦楽四重奏団が輩出されているんです。だから海外には、練習場所や演奏の機会が約束されているような環境があったりするんですけど。でも、どうしてか日本では「弦楽四重奏を守ろう」とか「応援しよう」っていう要素が大きく欠落している

実は、どの国の弦楽四重奏団積極的に自国の作曲家の曲を弾きます。その国を代表する演奏家に委嘱したり、演奏家から弦楽四重奏団に頼んで演奏してもらったりして。そうすることで、四重奏団もインスピレーションが得られるし、作曲家も自分の曲を演奏してもらえるといったお互いを高め合える関係性が構築されているんですね。でも日本人は、なぜか邦人作品をほとんど弾かない。日本の弦楽四重奏全体が世界基準まで発展するためのキーポイントは積極的に邦人作品に取り組むことだと思っていて、僕らとしてはそこに取り組んでいきたいと考えています。そういう意味で、江藤先生の作品を演奏するということには大きな意味があると思います。

(委員)毎回1曲ずつ江藤先生の作品を演奏していただくという、つくばリサイタルシリーズの活動が大きく意義付けられた気がします。

笹沼)委員のみなさんがSNSで発信してくださっているじゃないですか。僕も言葉はわからないけど、インスタから中国や台湾とかでこんなことをやっているんだって見たりするんですよ。こんな風に想像もつかないような人たちに見てもらえる可能性があるのも現代の面白いところですよね。もしかしたらつくばリサイタルシリーズの活動にも意外なところから反応があるかもしれないですね。

 

Q6. 観客のみなさまに向けて一言

笹沼)この演奏会の主役は、お客様にとっても僕らにとっても、「江藤作品の知られざる世界観」だと思います。僕たちは、それぞれの作品の良さを表現して、お客さんにもそれを楽しんでいただきたいという強い想いを持っています。そのなかで弦楽四重奏の3つの作品にはどんな違いや特徴があるのかなどに注目して、江藤先生の世界観を感じていただけたらと思います。

 

 

約1時間にわたってインタビューにお答えいただき、重厚な内容になりました。カルテット・アマービレのみなさんが一流の演奏家である理由が垣間見られたのではないでしょうか。

第10回つくばリサイタルシリーズでは、彼らの生演奏を破格で聴くことができます。大変な時期ではありますが、ぜひ足を運んでいただき、世界トップクラスの演奏をお楽しみください。

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文責:大吉(人文3年)