つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

第11回公演は2022年1月23日(日)、つくばカピオにて!チケット購入はteketから→ https://teket.jp/1479/5971

カルテット・アマービレがコロナ禍に気付いたこと(インタビュー後編)

カルテット・アマービレさんのzoomインタビュー後編です!

(前編はこちら👇)

recitaltsukuba.hatenablog.com

コロナ禍の音楽活動で感じた変化や、世界を見据えているからこその視点、第10回の見どころなどボリュームたっぷりにお届けします。

 

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カルテット・アマービレ(左から笹沼樹さん、中恵菜さん、篠原悠那さん、北田千尋さん)

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実際のインタビューの様子はこちらから(ダイジェスト版)👆

コロナ禍の音楽活動で感じたこと

笹沼)みんなも授業とかオンラインだったんですよね。

(委員)はい。今は少しずつ対面授業も再開しました。

――― 人と演奏すること。お客様がいること。

北田)私たちも本当に本番がなくなってしまって、合わせることすらできずに数か月会わない状態が続いて。それから久しぶりに会って合わせたときにはすごく感動しましたね。やっぱり人と一緒にやることで、すごく心が満たされていたんだとわかりました。悲しいこともいっぱいあったけど、こういう期間があってよかったのかな、って思います。

)コンサートが4か月くらい全部飛んじゃってびっくりして。再開するにしても、無観客とか配信とかになって。私たちにはそういう経験がなかったので、お客様がいてエネルギーを感じながら演奏できる幸せを噛みしめました。無観客やオンラインにももちろん良いところはあるんですけど、やっぱりお客さんがいっぱい入ったコンサートでは私たちも感動して。昔まではそれが当たり前だったので、そこは「気づけたな」と。

――― オンラインには良い側面もあった。

笹沼)たしかに、こういうネガティヴな影響もたくさん考えさせられる時期だったけど、一方ではあらゆる音楽家からあらゆる方向で「発信するんだ」っていう意志を感じられた時期でもあって。それで、ものによってはすごく良いクオリティで配信されるものがあったりしましたよね。オンラインだと世界中から見られますし。

それに、僕たちのリハーサルの仕方も少し変わりました。というのも、最初から集まって練習をするのではなくて、まずビデオ通話で楽譜を持ち寄って細かい場所の確認をしたりアイデアを出し合ったりするようになったんです。それをやってから、実際に会って音を出すと、頭が整理されてクリアになっているのをすごく感じて。ある程度まで意思の疎通ができた状態になってから音を出して合わせる、っていうリハーサルの過程はこういうことがなければ気づかなかったことですね。だから、現代のいろんなテクノロジーを駆使することで幅が広がったと考えることもできます。

(委員)コロナ禍で新しいリハーサルの仕方が誕生したというのはすごく新鮮ですね。

笹沼)今までだったら、リモート演奏なんてやりたくもないって考えてる人ばっかりだったと思うんですよね。でも、音楽家たちが一緒に音楽をやることに飢えていたからこそ、最終的にああいう形態になったわけで。今の技術では残念ながらタイムラグがあって同時に演奏することはできないんですけど、もしかしたら何十年後には指揮者がいて同時にリモートで演奏する、なんてことが起こる日も来るんじゃないか、って予感はとっても感じましたね。

 

Q4. 今後の活動の展望

篠原)本当は今頃YCA(ヤング・コンサート・アーティスツ)の副賞のツアーアメリカにいる予定だったんですけど、3年契約でツアーが来年に延期されたので、これから取り組んでいくことになると思います。それと同時に日本では、白寿ホールさんでブラームスシリーズ王子ホールさんでベートーヴェンのシリーズがあるので、まずはそれに向けて頑張っていこうというところです。

ブラームスベートーヴェンもすごく楽しみなんですけど、将来的にはバルトークショスタコーヴィチのような近現代の作品とかモーツァルトハイドンの作品もできたらなと思っています。

 

Q5. 江藤先生の作品を演奏されるというのはみなさんにとってどのような意味がありますか。

笹沼)それは面白い質問ですね。

世界中に弦楽四重奏はあるんですけど、それぞれの国がそれぞれのやり方で弦楽四重奏団を守っていると言えるんですね。たとえばアメリカでは、大学がレジデントカルテットというものを持っていて、一般教養として教えたり、学生さんと一緒に演奏したりすることもあります。フランスだったらカルテットの養成機関があって、数えきれない弦楽四重奏団が輩出されているんです。だから海外には、練習場所や演奏の機会が約束されているような環境があったりするんですけど。でも、どうしてか日本では「弦楽四重奏を守ろう」とか「応援しよう」っていう要素が大きく欠落している

というのも、どの国の弦楽四重奏団積極的に自国の作曲家の曲を弾くんですよ。その国を代表する演奏家に委嘱したり、演奏家から弦楽四重奏団に頼んで演奏してもらったりとか。それによって、四重奏団もインスピレーションが得られるし、作曲家も自分の曲を演奏してもらえるといったお互いを高め合える関係性ができているんですね。でも日本人は、なぜか邦人作品をほとんど弾かないんですよね。だから、僕らとしては、世界基準は言い過ぎかもしれないけど、積極的に邦人作品に取り組むというのが日本の弦楽四重奏全体が発展するためのキーポイントだと思っています。そういう意味で、今回も江藤先生の作品を演奏するということには大きな意味があると思います。

(委員)毎回1曲ずつ江藤先生の作品を演奏していただくという、つくばリサイタルシリーズの活動が大きく意義付けられた気がします。

笹沼)委員のみなさんが日本語ではあるけれど、SNSで発信してくださっているじゃないですか。僕もインスタとかで言葉はわからないけど、中国とか台湾とかでこんなことをやっているんだって見てたりするんですよ。そういう想像もつかないような人たちに見てもらえる可能性があるというのも現代の面白いところですよね。だから、つくばリサイタルシリーズの活動も意外なところから反応があるかもしれないですね。

 

Q6. 観客のみなさまに向けて一言

笹沼)この演奏会の主役は、お客様にとっても僕らにとっても、「江藤作品の知られざる世界観」だと思います。僕たちの中では、それぞれの作品の良さを表現して、お客さんにもそれを楽しんでいただきたいという想いがいちばん強いです。そのなかで弦楽四重奏の3つの作品にはどんな違いや特徴があるのか、そういった先生の世界観というものを感じていただけたらと思います。

 

 

約1時間にわたってインタビューにお答えいただき、重厚な内容になりました。カルテット・アマービレのみなさんが一流の演奏家である理由が垣間見られたのではないでしょうか。

第10回つくばリサイタルシリーズでは、彼らの生演奏を破格で聴くことができます。大変な時期ではありますが、ぜひ足を運んでいただき、世界トップクラスの演奏をお楽しみください。

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文責:大吉(人文3年)