こんにちは!つくばリサイタルシリーズ実行委員会です!
第15回リサイタルまで、残すところあと2週間となりました。
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また、昨日クラウドファンディングが終了しました。23名の方々から111000円もの支援金をいただくことができました! いただいたお金はよりよい演奏会の開催のために、大切に使わせていただきます。ありがとうございました。
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さて、本日は第15回リサイタルのプログラムより、ベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 Op.59-1 『ラズモフスキー第1番』」をご紹介します!
ほのカルテットさんがこの曲をどんな風に演奏するか、事前に予習をすることで、味わいがより深まることと思います。
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 Op.59-1 「ラズモフスキー第1番」
この曲は、1806年に完成した「ラズモフスキー四重奏曲」として知られる一連の四重奏曲の最初の作品です。この作品群は、ロシアの駐ウィーン大使であり音楽のパトロンでもあったアンドレイ・ラズモフスキー伯爵の委嘱を受けて書かれました。
Op.59-1は、ハイドンやモーツァルトが確立した弦楽四重奏の伝統を受け継ぎつつ、スケールの大きさと革新性で聴き手を驚かせた作品です。全4楽章から成り、それぞれが異なる個性を持ちながら、一つの大きな物語を描いています。
第1楽章: Allegro
第1楽章は、朗らかで堂々とした主題によって始まります。この主題は、ベートーヴェンらしいエネルギーと推進力を持ち、楽章全体を通して発展します。一つ一つのフレーズが生き生きとしており、楽器同士が掛け合うように音楽が進んでいきます。展開部では調性の自由な操作と対位法的な技法が駆使され、音楽が常に新しい方向へと進んでいく様子が印象的です。ダイナミックな構成と豊かな感情表現が聴く者を引き込みます。
第2楽章: Allegretto vivace e sempre scherzando
続く第2楽章は、軽快なスケルツォ風の形式で書かれています。不規則なリズムとユーモラスな旋律が特徴で、ベートーヴェンの遊び心が存分に発揮されています。一方、中間部では、落ち着いた雰囲気の中にも不思議な緊張感が漂う場面もあり、主部とのコントラストが鮮やかです。リズムの変化や突然の調性の転換によりコロコロと表情を変えていくこの楽章は、聴く者を飽きさせません。
第3楽章: Adagio molto e mesto
この四重奏曲の中で、最も内省的で感情に訴えかけるのが第3楽章です。そのタイトル「mesto(悲しげに)」が示す通り、どこか寂しげで、瞑想的な雰囲気が漂うアダージョとなっています。この楽章を聴いていると、ベートーヴェン自身の内面に触れるような感覚を覚えます。
第4楽章: Theme russe: Allegro
最後の楽章は、ロシア民謡風の活気に満ちた主題で始まります。これは、ラズモフスキー伯爵への敬意として用いられたもので、フィナーレを華やかに彩ります。クライマックスに向かって次々と繰り出される音楽的アイデアは、ベートーヴェンの技巧の高さと創造性を物語っています。生き生きとした展開と力強い終結部により、この四重奏曲全体が壮大に締めくくられます。
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「ラズモフスキー第1番」は、音楽的なスケールの大きさだけでなく、感情の幅広さや構成の見事さにおいても魅力的な作品です。第1楽章の壮大な構成、第2楽章の軽妙なユーモア、第3楽章の深い感情表現、そして第4楽章の明るく力強い終結。それぞれの楽章に異なる魅力があり、何度聴いても新しい発見があります。この曲を通じて、ベートーヴェンが描く多彩な音楽の世界に触れてみてください!
次回の曲目解説もお楽しみに!
文責:大脇(比文4年)