こんにちは。
日増しに寒くなっていますね。
あったかグッズをフル動員しております。
今この状態で今後耐えられるやら…心配しているところです。
さて本日は
比較文化学類卒業生によるキャリア講演の一環として
1989年に比文を卒業され、現在水戸芸術館の音楽部門芸術監督を務めていらっしゃる、中村晃さんのお話をうかがった感想を書いてみました。
「文化事業で働くこと」というテーマでしたが、まずなんといっても、中村さんの音楽への情熱が伝わりました。
音楽との出会いから、今携わっているお仕事に関することまでお話しいただき、
一貫して、音楽へ真摯に向き合いながら、多くの人に芸術文化を届けるためにお仕事をされていらっしゃるのだなと感じました。
印象に残っている点を少しお話ししたいと思います。
一点目。演奏会はスタッフ、演奏者、観客の皆で作り上げているものである、というお言葉です。
中村さんは演奏会の企画や運営をされている方ですが、
ただの裏方というわけではなく、芸術を共に作り上げ、提供する一員であると考えているそうです。
これは実行委員会でも学んできた感覚でした。
リサイタルシリーズでは、1回の公演に対して約1年近い時間を費やして準備を進めます。
その中で、出演者の方とのやりとりやお客様とのやりとりを交えながら一緒にコンサートを作っている、そんな感覚です。
スタッフ側が一生懸命に環境をつくろうとすると、出演者の方々もそれに応えるように演奏に力が入る。そして観客がそれを享受できる。この良い循環が、より良質な演奏会を生み出せるのだと考えています。
2点目。音楽の力について。
この2年近く、音楽はじめ、あらゆる文化が否定されるような社会状況に置かれてきました。
音楽って、様々な側面がありますよね。
音楽はある種の空気感染だ、とも考えられますし(比文で音楽文化論を担当している小川先生がおっしゃっていました。たしかに、と思います。)
普段聴き馴染みのあるポップスなど娯楽として楽しむ音楽、娯楽以外の部分、祈り、救いの音楽、はたまた人間を支配する力を持つ音楽…
音楽とはなにか?文化とはなにか?定義は難しいですが(比文っぽいですね~)
中村さんは、「辛さを抱えている人に励ましになるような音楽」を提供したい、という思いを持っていました。
音楽は世界共通だ、という言葉も耳にしますが
音楽が癒しをもたらしたり、救いをもたらしたりすることってあると思いますし、
要不要で語れるようなものではないと思います。
改めて音楽の存在意義を考えていきたいなと思いました。
演奏会実施が憚られる中でも、だからこそ、
音楽の意義を問い続け、なぜ音楽が必要なのか、
誰に届けたいのか、実行委員会でもしっかり考えていきたい部分です。
実は、中村さんからは、つくばリサイタルシリーズ実行委員会活動に関しても応援の声をいただいており、これまでに何度か来場もしてくださっています。
自分たちで資金を集め、学生が当日の観客対応や出演者対応を行うこの企画に対し
お褒めの言葉をいただきました…!
音楽って力があるはず。
私たちが届ける音楽が、少しでも多くの人の心に感動を与えることができればなによりです。
大学3年生も終盤にさしかかり、まさに「キャリア」を考えねばならない時期になっている中で
好きを突き詰め、さらにそれを実行に移す中村さんのキャリアから学べたことは大きかったです。
つくばリサイタルシリーズでも、素敵な演奏会を継続していければと思います!
第11回つくばリサイタルシリーズまであと2か月を切りました。
今後も様々なコンテンツを用意しておりますので
どうぞ楽しみにお待ちください!
文責:宮田(比文3年)