つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

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メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第6番ヘ短調Op.80」

こんにちは!つくばリサイタル実行委員会です!

今回はメンデルスゾーン作曲「弦楽四重奏曲第6番ヘ短調Op.80」についてお話します。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/フェリックス・メンデルスゾーン



メンデルスゾーン(1809-1847) は19世紀前半に活躍したロマン派の音楽家です。ドイツ・ハンブルクで生まれた彼は幼少期から神童として優れた音楽の才能を発揮していました。裕福な家庭に育ち環境にも恵まれた彼は、音楽以外の学問にも精通していたようです。

幼いころから母親にピアノを習い、パリやベルリンでは多くの音楽家に師事しました。その才能は異例の早さで開花し10代のころから数多くの交響曲や協奏曲を作曲しました。

バッハやヘンデルシューベルトらの作品の復興に携わり、ライプツィヒ音楽院の設立にも貢献するなど、19世紀の音楽界に大きな影響を与えた人物です。5つの交響曲や「無言歌」、「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」などが知られています。


弦楽四重奏曲第6番ヘ短調Op.80」が作曲されたのは1847年、まさにメンデルスゾーン没年のことでした。この曲が作曲される約2カ月前、メンデルスゾーンは最愛の姉ファニーを失っています。ファニーは弟と同じく音楽の才能にあふれており、生涯を通じて弟の最大の理解者であったといわれています。失意の中で作曲されたこの曲は、メンデルスゾーンの悲痛な思いを反映しているかのように、悲劇的な性格を帯びたものになっています。

 

https://www.youtube.com/embed/TZNVcqWaj8U


第1楽章はトレモロによって奏でられる激しく不穏な第1主題に始まり、長調で緩やかな第2主題を経て加速し緊迫しながら最後になだれこみます。
暗く激しい第2楽章は、緩急のあるドラマチックな演奏と力強いユニゾンが印象的です。
第3楽章は作品中では唯一の長調の楽章ですが、各楽器ののびやかでありつつ憂いをはらんだ演奏が寂しさと余韻を感じさせます。
第4楽章は第3楽章とは打って変わって情熱的で、自由で劇的なヴァイオリンの演奏の後一気に激しさを増しフィナーレを迎えます。

 

悲しい情熱にあふれる曲です。当日実際に聞くのが本当に楽しみです…!

 

 

文責:岩永(比較文化学類1年)