つくばリサイタルシリーズ公式ブログ

第11回公演は2022年1月23日(日)、つくばカピオにて!

「篠原悠那 ヴァイオリン リサイタル」、TRS実行委員の体験記!

 こんにちは、つくばリサイタルシリーズ実行委員会です。

芸術の秋! というわけで2019年10月24日(木)紀尾井町サロンホールにて行われた、「OTTAVA Night vol.23~秋を彩る珠玉の名曲~篠原悠那ヴァイオリン・リサイタル」に行ってきました!

この演奏会については以前にもこのブログでお知らせしておりましたが(詳しくはこちら)、実行委員も参戦しておりました。

 

篠原さんは今年度のつくばリサイタルでお呼びするカルテット・アマービレの、1stヴァイオリンを担当される方です。

今回の演奏会にも、つくばリサイタルのチラシが入っていました!

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今回は篠原さんの前に、現在中学一年生(!)にして多くの賞を受賞しているという荒川桐真さんの演奏から始まりました。
曲目は「パガニーニ:24のカプリスより13番」「バッハ:パルティータ第3番よりロンド風ガヴォット」「ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」でした。

どれも生半可には弾きこなせない曲ですが、若さあふれるエネルギッシュな演奏を披露してもらいました!

 

篠原さんのプログラムは、「ラヴェル:ヴァイオリンソナタ」「ラヴェル:ツィガーヌ」「ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第7番 ハ短調 作品30-2」「サラサーテツィゴイネルワイゼン」の四曲でした。

 

ラヴェルといえば「亡き王女の為のパヴァーヌ」や「ボレロ」などが有名ですね。
ラヴェルは「スペイン狂詩曲」のようなスペインの音楽を筆頭に、幅広い民族の音楽を取り入れた作品があります。

今回ではヴァイオリンソナタの第二楽章でブルース的な一面をのぞかせているなど、異国の地を思わせるような音がふんだんに取り入れられたプログラムになっていました。
また、そんな彼の作品である二曲目の「ツィガーヌ」とラストの「ツィゴイネルワイゼン」を結び付けた構成が印象的ですね。

ジプシー(※注)の音楽として知られるこの二曲を篠原さんのヴァイオリンがどう描き出すのか、非常に楽しみでした。

(※注)
「ジプシー」という言葉は近年避ける傾向があり、「ロマ」などの呼称が一般的になりつつあるようです。
ここでは分かりやすさを優先して「ジプシー」と説明していますが、ロマの人々を貶める意図はありません。

 

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演奏会前の会場の様子

さて、そうしたプログラムで始まった演奏会ですが、開幕から非常に驚きました。
ヴァイオリンの導入部、弱いpで始まった音の何と繊細なこと!
基本的に音楽というものは、fよりもpの表現が難しいものです。
荒川さんの演奏とはまた一味違った、素晴らしい表現力をはじめから見せつけられました。

とはいえ先ほど書いたように今回のプログラムは民族色のあるものばかり。こうした曲目では優雅なだけでは終わりません
速弾き、力強い重音、超高音に加え、弦を指で弾くピチカート、左指を半分浮かせるフラジオレットなどの技巧が詰め込まれた演奏が息をつく間もなく展開されていきます。

それでも私たちがそれを聴いて浮足立つことがないのは、ひとえに演奏の安定感の賜物と言えるでしょう。

これを生み出すのが篠原さんの右手。

ヴァイオリン演奏で目立つのは弦を抑えて音程を決める左手かもしれませんが、実際は弓を操る右手こそ、音自体の質や表現力と呼ばれるものの源として、非常に大きな役割を果たします。

 

休憩を挟んで三曲目はベートーヴェンのヴァイオリンソナタ

5番の「春」や9番の「クロイツェル」が有名ですが、今回は7番。

プログラムではラヴェルサラサーテと19世紀後半の作曲家が並んでいる中で19世紀初頭に活躍したベートーヴェンはやや異色といえますが、挑戦的な超絶技巧の並ぶ前者に対してよりシンプルにまとまった音楽は、この対比の中ではある種一服の清涼剤となりますね。

 

最後の曲がサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」。

ヴァイオリンの名曲として名高いと同時に難曲として知られている一曲ですが、篠原さんのヴァイオリンの技量はここでも遺憾なく発揮していました。

有名な最初のフレーズを聴くだけでワクワクしてしまいますが、後半のヴィヴァーチェは圧巻という他ありません。

本来は管弦楽の伴奏が付くのですが、それをピアノで表現してヴァイオリンとともに盛り上げていく伴奏(守永由香さん)も素敵でした。

 

演奏が終わって全体の感想としては、今回の会場であった紀尾井町サロンホールが演奏の魅力を引き出していたように思います。

定員80名の小規模な会場ですが、それだけに演奏者と観客の距離が近く、また大ホールのような残響がなく生の音をダイレクトに聴けたというのは大きかったです。

情熱的なヴァイオリンの音色を文字通り肌で感じるというのは、なかなかできない体験でした。

 

終演後には篠原さんらとお話する機会にも恵まれ、なんとCDにサインまで書いていただきました(このCDのレポートも後ほど上げますので、お楽しみに!)。

 

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篠原さん(右)と守永さん(左)

 

チケットの価格が4000円と、学生の身からすると「お財布が……」と思ってしまうところではあったのですが、終わってみたら確かにそれだけの価値があると思える2時間でした。


しかしながらみなさん、つくばリサイタルではそんな素晴らしい方の演奏を、一般1000円・学生無料で聴けてしまうのです!

 

チケット購入はこちらから!

 

recitaltsukuba.hatenablog.com

 

篠原さんたちの生み出す極上のアンサンブルを、つくばにいながらにして味わえる。こんなチャンスはめったにはありません!

演奏会までまだまだやることは山積みな現状ではありますが、これを励みに再び実行委員会は頑張ってまいりますので、これからもどうぞよろしくお願いします!

 

 文責:山田(比較文化学類3年)