こんにちは!つくばリサイタルシリーズ実行委員会です。今回は、ブログの中の人2号による報告です!
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一昨日、私達がお呼びするカルテット・アマービレさんのコンサートを聴きに、横浜みなとみらいホールに行って参りました!今回はそのレポートを書かせていただけたらと思います。
チケットを入手して、ホールの中へ。
いよいよカルテット・アマービレの演奏が始まります。
一曲目、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番ニ長調。第3番となっていますが、ベートーヴェンが生涯残した15の弦楽四重奏曲のうちで最初に作曲されたものであり、彼が交響曲をまだ一つも完成させていない20代の頃の瑞々しい音楽です。
アマービレさんの演奏を生で聴くのは初めてだったのですが、最初の音を聴いて、度肝を抜かれる思いがしました。なんて柔らかい音なんだろう…!、と。私達は「若き才能の織りなす未来の音」というキャッチコピーでアマービレさんをお呼びするのですが、カルテット・アマービレの「若き才能」とは、一般に人々が若さについて抱くような「荒々しい熱情的なもの」の観念を覆すものでした。それはとても自然で柔らかく、美しいものでした。
しかし、カルテット・アマービレの「若き才能」の強みは、その自然な柔らかさであるだけに留まりません。一曲目とはまたまったく異なる表現を二曲目以降で露わにさせます。二曲目のバルトーク弦楽四重奏曲第4番(1928年)は、先のベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番(1778年)から、130年をまたいだ時代の音楽であり、この時代はシェーンベルクを始めとする新ウィーン楽派が台頭して従来の調性の音楽を解体し始める現代音楽の幕開けの時代です。
その時代性も関係して、バルトークの弦楽四重奏曲第4番には奇特なリズムや不協和音が持ち入れられ、さらにはバルトーク特有のバルトーク・ピチカート(ピチカートの際に弦を強く引っ張って指板に打ちつけて、通常のピチカートに加えてパチッという音を出す)と呼ばれる特殊奏法が求められることなどもあり、演奏が最も困難な弦楽四重奏曲の一つであると言われているそうです。
この難曲を、カルテット・アマービレはまさに完璧なテクニックを以ってこなしていきます。各人の一つ一つの音に明確な表現が練られており、その表現が4人で合わさって調和していく有様は、まさに圧巻でした。(この演奏中、1+1+1+1=4 ではないんだと考えていました。では何か、と問うてもうまく表現する言葉がなく、もっと何か別のもの、としか言いようがありません…)
休憩を挟んで3曲目は、いわゆるクラシック音楽から少し離れて、アルゼンチンの作曲家ピアソラのブレノスアイレスの四季の弦楽四重奏版(山中惇史編曲)。ピアソラはクラシックでも比較的演奏されるタンゴの作曲家であり、彼の代表作であるリベルタンゴは、耳にしたことがある人も多いと思います。
ここで「若き才能」のエネルギーが十全に発揮されます。しかしだからといって荒々しい演奏とは程遠く、とても丁寧で清々しい演奏でした。熱量を保ちつつ、かつ清々しい、という演奏には、そう簡単に出会えるものではないと(自分のクラシック人生の中で)思っています。
演奏会終了後は、カルテット・アマービレの皆様とお会いすることができました。
演奏終了後の一番のお疲れのときにも関わらず、優しくお話しをさせていただいて、本当にありがとうございました。
報告は以上となります!
アマービレさんの演奏を実際に聴いてみて、こんなにすごい方々がつくばに来てくださるなんて、凄いことでは!?と改めて実感した次第です。(語彙力を失いました)
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