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曲目紹介第二弾です。
ロベルト・シューマン(1810-1856)
「ピアノとクラリネットのための幻想小曲集」 作品73
ザクセン出身のシューマンは作曲家としてのみならず、評論家・指揮者としても活躍しました。一貫したストーリーを持つ連作歌曲や、ホルンやヴィオラなどあまり取り上げられてこなかった楽器にも実に趣のある作品を残していて、それらは今日これらの楽器の重要なレパートリーになっています。1849年に作曲されたクラリネットとピアノのための「幻想小曲集」も3つの小品からなる佳作です。
それぞれの楽章は、第一曲 Zart und mit Ausdruck(繊細に、表現豊かに)、第二曲 Lebhaft, leicht (生き生きと、軽やかに)、第三曲 Rasch und mit feuer(速く、情熱的に)という指示を持っています。全曲を通じピアノの三連音符が流れるようなリズム感を作っており、また各楽章間にも共通するモティーフが用いられている上に、楽章を経るごとに速度が速まってクライマックスに至るよう工夫されています。微妙に揺れる調性が醸す詩的な情緒を、緊密な構成が支えています。
演奏は前回のオッテンザマー盤もよいですが、レ・ヴァン・フランセのメンバーとして活躍するポール・メイエとエリック・ル・サージュの録音を挙げます。メイエは東京佼成ウィンドオーケストラの指揮者としても活躍しているので、吹奏楽界でも名前が知られているのではないでしょうか。
ヨハネス・ブラームス(1833-1897)「クラリネット・ソナタ 第一番」 作品120-1
シューマンによって才能を見出され、やがてドイツ・ロマン派を代表する作曲家として揺るぎない地位を確立するヨハネス・ブラームスがクラリネットに傾倒するのは、晩年を迎え創作力の衰えを自覚するようになってからでした。
クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトがモーツァルトやウェーバーの作品を演奏するのを聴き、いったんは作曲から引退するつもりでいたブラームスは、その素晴らしさに再び創作意欲を燃やします。そして「クラリネット、チェロとピアノのための三重奏」作品114、「クラリネット五重奏」作品115などの最晩年の傑作が生みだされるのです。
二つのクラリネット・ソナタはクラリネットを巡る最後の創作群の掉尾を飾るもので、ブラームスらしい諦観を讃えながらも前二作に比べより明快な作風を示し、クラリネットの扱いも幅広い音域に渡っていっそう効果的で多彩なものになっています。第一番はアレグロ・アパッショナート、アンダンテ・ウン・ポーコ・アダアージオ、アレグレット・グラツィオーソ、ヴィヴァーチェの四つの楽章からなります。
この曲は録音も無数にあって、古き良きウィーンやベルリンの香りを残したウラッハやライスターの演奏などが知られていますが、若き日のメイエがフランソワ・ルネ・デュシャーブルと共演したものは現代風のおしゃれ感があって気軽に聴けます。
いかがでしたでしょうか。
本番まであと一週間を切りました!
曲や作曲者について予習もしておくとより楽しめますね。